月を抱けば
Maria on the Moon
用語
いろいろと用語が多くなってきたので、まとめてみました。小説を読む上では、流してもまったく問題ないと思われます。むしろ、作者のためのメモ。
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裂心症 およそ二百年前に突如として現れたウイルス性の病気。水、特に雨にウイルスが含まれている。 小さな擦り傷や切り傷などに雨が触れると、そこからウイルスは感染し血液に乗って心臓に到達する。 そして最後に心臓で爆発的に増殖し、その筋肉を溶かしてヒトを死に至らしめる。 感染したらまず助からない。 この病気によって地球の人口が四分の三に減少した。 治療法はまだ確立されていない。

<エデン>
裂心症ウイルスから身を守るために作られた、いわゆるシェルター。特権階級および富裕層によって居住は独占されている。 このため、治安がよく各国で政治や文化の中枢になっている。

<スラム>
<エデン>に住めない貧困層、あるいは犯罪者などが暮らしている地域の総称。 <エデン>から堕ちてきた者もいる。一見すると無法地帯のようだがそうではなく、地域ごとにまとめ役がいる。 このまとめ役によって<スラム>の雰囲気が変わってくる。

国家体制
七つの体制から構成される(月と火星は別)。 アジア連邦、ヨーロッパ連邦、オセアニア連邦、アフリカ共同統治機構、アメリカ連合、南極協同地区、北極資源区域。 また、これに加えて、諸事情により各国に保有されない地域(主に宗教上の聖地など)がある。

月民
広義では月に住む人々のことだが、一般的には連邦共通歴300年から600年の間に月へと移住した人間の子孫をさす。 純血の月民は地球人とはいくつかの異なる身体的特徴を持つが、現在は混血が進んでそれも失われつつある。

多重音声
月民の持つ最大の特徴。一般的に三つの音階を別々に同時に発声することができる。ひとりで合唱ができるようなもの。 最高記録としては、七つの音を同時発声できた『七日間の虹の奇蹟』と呼ばれたセレーネ=春日まりあが有名だが、 それ以上の音階を重ねられる存在がいたとの噂もある。

セレーネ
月民の中でも歌を生業とした人間のこと。 歌姫として『セレーネ』の称号を戴くのは名誉なこととされ、なかでも『セイレーン』は最高階位として憧れの的だった。 純血の月民が絶えた現在では、月民でなくとも実力ある歌姫にはこの称号が贈られている。

春日文書
かつて天才と呼ばれたアジア連邦研究所所長・春日いつきが残したとされる文書。彼女の未発表研究が記されているとされる。 現在は散逸している。 また、所在がはっきりとしているものでも厳重なロックがかかっており、ほとんどのものが解読できていない。 このため、所有者のあいだでは文書の鍵を求めて競争が繰り広げられている。



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